ファン熱量理論に基づきフォローアップを設計

ジェンワイのメソッドのページで、売り一辺倒メールやLINEだけではファン熱量は上がらないことを説明しました。
売ること以外ではどのようなフォローアップがあるのかと言うと、以下のようなアプローチが有効です。

①お客様の喜びの声の特集を送る
リピートしていない既存顧客はリテンション活動の対象ですが、見方を変えると2回目購入のアクイジション活動でもあります。アクイジションの時に第三者評価を紹介したように、2回目購入を促す時にも、他の顧客が何に対して喜んでいるのかを知らせることで、自分も何に対して満足しているのかを気づかせることができます。

②使い方提案を送る
商品の品質は良いので後はお客様の好きなように使って頂く。実はこれでは商品体験をお客様の判断に丸投げしており、会社側が期待した体験をして頂けているのか分かりません。
ここで細かな使い方提案をすることで、当初会社がデザインした商品体験を、間違いなくお客様側で体験できるようになります。

③ブランドストーリーを送る
野球のファンと同じで、そのチームのチケットを買うには、チーム背景や応援したいポイントがあるからで、事前情報を熟知していた方が試合も楽しめます。
同様に、開発者ストーリーやメンバー物語を送ることで会社のことを熟知してもらい、「この人の商品を知る」ボタンを設置して、売るのではなく、あくまでも知ってもらう、でも知ると買いたくなる、と誘導していきます。


STEP 1

クラスター毎に仮説を立ててフォローアップを設計

毎月買う既存顧客と、買わない既存顧客では、どのような動機の違いがあるのか。
クラスター毎にインサイトの仮説を立てて改善フォローアップを設計します。

  • 1回目購入者が2回目購入者になるには、どのタイミングで何を訴求するのか
  • Very ActiveからActiveに落ちた既存顧客は、どうするとVery Activeに戻るのか
  • どのタイミングでクーポンや割引を訴求すると、会社の利益を圧迫せずに、LTVを伸ばすことができるのか

現在成功しているアプローチと、今後改善が必要なアプローチを分析して、各クラスターに効くフォローアップを作ります。

STEP 2

コミュニケーションツールやMAの選択

クラスター毎にフォローアップができたら、どのようなツールで接触するかを再検討します。
多くのECサイトの場合、会員登録時のEメールに対してリテンションを行っていますが、近年ではLINEの方がリピート購入のCVRが2倍になるデータが明らかになっています。そのためEメール以外に、何かをきっかけにお客様のLINE IDを頂く必要が出てきています。

また、LINEを使うことで、

  1. 開封率が高い→確実にお客様に届く
  2. チャットボット機能が使える→一方通行のコミュニケーションではない
  3. マーケティングオートメーション(MA)が使える

というメリットがあります。 もちろん、これらのことはEメールでも可能ですが、リテンションの成績を重視し会社を利益体質にするのであれば、現在LINEへの移行は避けられない状況となっています。

STEP 3

効果測定

クラスター毎の仮説が正しく証明されて、KPIが改善したかを検証します。
例えば、各クラスターからのステップアップ率や、特定のクラスターを狙ったキャンペーンの成果、リテンション施策のCTR、CV数、CVR、なども見ていきます。

施策が最終的にチャーンレート低下に寄与しているのかも検証します。

効果測定項目例

  • チャーンレート(1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月)
  • LTV(1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月)
  • 各クラスターの増加人数、減少人数
  • MRR(マンスリーリカーリングレベニュー)の増加や減少
  • 総会員数やアクティブユーザー数の増加や減少