ECサイトにおけるクーポンの効果的な設定と注意点

クーポンの種類、効果的な利用法

顧客に割引を提示するクーポンは、広告のように直接費用をかける必要がないので、売上を加速させたいときに気軽に配布できます。

ですがきちんと目標を定めて設定すれば、新規顧客の獲得に、既存顧客のアップセル・クロスセル促進に、カゴ落ち対策にと、様々な場面で有効ですので、目的を定めて効果的に設定するようにしたいところです。

クーポンを目的別に考えると、大きく以下のように分けられます。

新規顧客獲得

新規購入、もしくはサイトの会員登録を行った顧客向けの割引を提示し、購入や登録へのハードルを下げます。
例:「初回購入時には送料無料」など。

既存顧客との関係強化、休眠顧客の掘り起こし

最後に商品を購入してから一定期間が経過した顧客などに向け、サービス再利用を促すお知らせとクーポンを発行します。
例:「利用開始から●ヶ月経過。お礼のクーポン贈呈」「お誕生日の方に特別割引をプレゼント」など。

アップセル、クロスセル提案

商品を複数購入した場合に有効な割引や、高額な商品の購入に使用可能なクーポンを発行し、購入総額の向上を狙います。
例:「商品Aを購入すると、商品Bが●割引で購入可能」など。

新商品のプロモーション

新しい商品は顧客にとって判断のしづらいものですが、割引を提示して、「せっかく安くなっているのであれば」という購入を促します。
例:「新商品お試しキャンペーン中。●割引のお試し価格」など。

カゴ落ち・離脱防止

カートに商品を入れたものの購入に至らなかった顧客に対して、カゴ落ちした商品のクーポンを送り、「安くなっているなら…」と再考を促します。
例:「購入を迷っている方に特別オファーをお届け」など。

商品の売り切り

季節ものの商品などを、商品入れ替え時に売り切りたいときなどに、該当商品を割り引いて販売します。
例:「夏物一掃セール開催。夏物全品●割オフ」など。

目的に適した内容にクーポンの設定する

実際にクーポンを発行する際には、以下のような条件を設定します。

  • 割引方法
  • 使用可能な商品
  • 最小要件
  • 使用可能な顧客
  • 利用制限・期間

例えば「購入回数0」の顧客に、「すべての商品」を対象で、「送料無料」の割引を設定したクーポンは、先に例に挙げた「初回購入時に送料無料」となり、「特定の新商品」を「すべての顧客」で「2割引」という設定だと、「新商品お試しキャンペーン」になります。

配布に際して注意すること

諸々設定を行ってクーポンを発行をしても、そこで終わりではありません。
発行したクーポンがどのくらい使用されているかのか、利用顧客の傾向はどうか、対象商品のキャンペーン期間中売り上げは、他の期間と比べてどうかなど、発行したクーポンにどの程度効果があったかを検証し、キャンペーンの方針を修正する事が必要になります。
ここで検証をするためにも、キャンペーンを立ち上げた際に、目標とする結果のイメージを具体的にしておく必要があります。

また、キャンペーンに効果があったとしても、「クーポンで一時的に売り上げが上がる」という魅力に対しては、慎重になる必要があります。
クーポンの発行を乱発すると、サービスに「安売りをするサイト」という印象が付いてしまい、逆に通常の値段が割高に受け取られてしまいます。結果、通常時の売り上げが減り、焦ってクーポンを発行し、更に安売りのイメージが付き…という、良くない循環に陥りかねないからです。

効果的に使えば、アクイジションにもリテンションにも効果的なクーポン。
きちんと目標を設定し、有効に活用していってくださいね。


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